おはなし
聞き耳頭巾
日本昔話「聞き耳頭巾」。
- 文章:東方明珠
- 朗読:得本綾
- イラスト・アニメ:ゆめある
本文
むかしむかしの おはなしです。
山おくに おじいさんが 一人で 住んでいました。
はたけしごとの かえりみち、足を いためた こぎつねと であいました。
「これを おたべ」
木のみを とってやると こぎつねは うれしそうに すあなへ かえっていきました。
そのよる ゆめの 中に きつねの おやこが あらわれました。
「コーン」
お母さんぎつねが あかい ずきんを わたしてきました。
「なんじゃ? くれるのか」
おじいさんは ずきんを かぶってみました。
すると、きつねの ことばが わかるように なりました。
「ぼうやを たすけてくださり ありがとうございました。これは おれいですコン」
「ぼくたちや お花の こえが きこえるコン」
目が さめると まくらもとに ずきんが ありました。
「ゆめでは なかったのか」
さっそく かぶって 外へ 出てみます。
「きょうは いい てんきだチュン」
すずめたちが やねの 上で おしゃべりを しています。
「あしたには きいろい 花が さきそうポポ」
しょくぶつの ことばも きこえました。
「これは たのしい。きき耳ずきんじゃ」
どこもかしこも にぎやかで 一人ぐらしが さびしく なくなりました。
ある日 二わの カラスが はなして いました。
「しょうやどんの むすめの ぐあいは どうカー?」
「ずっと ねこんで くるしんで いるカー。あれは くすのきの たたりカー」
むすめが びょうきでは しんぱいに ちがいありません。
おじいさんは 山を おり しょうやを たずねました。
しょうやの いえには あたらしい くらが あり、すぐそばに くすのきが はえていました。
みきは おれまがって ほそく、はっぱは かれて しょんぼりしています。
「わたしは うらないしです。ひとばん くらに とめてください」
おじいさんは くすのきの こえを きくため しばらく まつことに しました。
よるに なると くすのきの すすりなきが きこえてきました。
「いたいクス、いたいクス」
友だちの まつの木が おみまいに やってきました。
「こしの ぐあいは いかがマツ?」
「ずっと いたくて たまらんクス。上に のっかる くらさえ なければなあ」
どうやら この くらは くすのきの 上に たっていたようです。
よくあさ おじいさんは しょうやに つたえました。
「くらを べつの ばしょへ うつして くすのきを たいせつにして おやりなさい」
しょうやは わらにも すがる おもいで 言うとおりに しました。
たいようの 光を いっぱいに あびた くすのきは しゃんと せを のばし、みるみる 大きく なりました。
すると、ながく ねこんでいた むすめが うそのように げんきに なりました。
「あなたは おん人です」
しょうやは おじいさんが 一生 こまらない くらいの お金を くれました。
「ぜんぶ きつねの おやこの おかげじゃ」
おじいさんは きつねの 大こうぶつの あぶらあげを たっぷり かって 山へ かえりました。
