おはなし

赤ずきん

みんな知っているグリム童話「赤ずきん」 。
ある日、赤ずきんはおばあさんの家にお見舞いに行きました。
しかし、おおかみさんが現れて…

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:Miu
  • 絵:さとうゆか
  • 原作:グリム兄弟

本文

むかし むかーし。
あかずきんは おばあさんの おみまいに いきました。

わるい おおかみが やってきました。
「おはなを つんで いったら?」
「いいわね」

あかずきんは よりみちを しました。
そのあいだに おおかみは おばあさんを たべて しまいました。

おおかみは おばあさんの ふりを して まって いました。
あかずきんは ふしぎに おもって ききました。

「おばあちゃんの おみみ どうして そんなに おおきいの?」
「おまえの こえを きくためさ」
「どうして おめめが そんなに おおきいの?」
「かわいい かおを みるためさ」
「どうして おくちが おおきいの?」
「それはね……、おまえを たべるためさ!」

ぱくり。
おおかみは あかずきんを ひとくちで のみこみました。
そして、いねむりを はじめました。

りょうしが とおりかかりました。
「たいへんだ。だれかが おおかみに たべられた」
りょうしは はさみで おおかみの おなかを きりました。
ぴょこん。
ぴょこん。
おばあさんと あかずきんが でてきました。

「もう よりみちは しないわ」
あかずきんは おばあさんと やくそく しました。
めでたし めでたし。

くわしくみる

  • 文:田中和美
  • 声:渋谷朋子
  • 絵:ささきまゆ
  • 原作:グリム兄弟

本文

あるところに、あかずきんちゃんとよばれるおんなのこがいました。
おかあさんは、あかずきんちゃんにおねがいをしました。
「あかずきんちゃん、おばあちゃんのおみまい、ひとりでできる?」
「うん! おかあさん」
あかずきんちゃんはおみまいのホットケーキをもって、もりのむこうのおばあちゃんのいえへ、すぐにでかけました。

もりのなかをあるいていると、オオカミがやってきました。
「おじょうさん、どうしたの?」
あかずきんちゃんは、オオカミがおそろしいことをしりませんでした。
「もりのむこうのおばあちゃんのいえにいくの。おみまいだよ」
「それならこのあたりのおはなも、つんでいったらどうだい?」
あかずきんちゃんはおはなをつむことにしました。
そのあいだに、オオカミはいそいでおばあちゃんのいえにいきました。

ドン ドン ドン

「どなたですか?」
オオカミは、あかずきんちゃんのまねをしていいました。
「あかずきんだよ。おばあちゃん、だいじょうぶ?」
おばあちゃんがドアをあけると、オオカミはペロリとおばあちゃんをたべてしまいました。

それからしばらくして、あかずきんちゃんがやってきます。

コン コン コン

「どなたですか?」
「あかずきんだよ。おばあちゃん、だいじょうぶ?」
「よくきたね、はいっておいで」
あかずきんちゃんがドアをあけると、おばあちゃんがベッドでねています。
でも、なんだかいつもとようすがちがいます。
「おばあちゃん、なんでおみみがおおきくなったの?」
「それはね、あかずきんちゃんのこえをよくきくためだよ」
「なんでおめめがおおきくなったの?」
「あかずきんちゃんのかおをよくみるためだよ」
「なんでおくちがおおきくなったの?」
「それはね……」

「おまえをたべるためさ!」

ぱくんっ!

オオカミはあかずきんちゃんをまるのみにしてしまいました。
そしておなかがいっぱいになったので、おおきないびきをかきながらねむってしまいました。

そのいびきをきいて、りょうしさんがやってきました。
りょうしさんはオオカミのおなかをみて、なかにだれかいるとおもい、はさみできりました。
「ああ、こわかった!」
おなかのなかからあかずきんちゃんと、おばあさんがでてきました。
ふたりはりょうしさんにおれいをいい、ねているオオカミのおなかをぬいました。
そしてそのまま、かわへながしてしまいました。

「もう、しらないひとのはなしはきかないわ!」
あかずきんちゃんはひとつ、おとなになりました。

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