おはなし

かちかち山

悪いことをしていると、タヌキのようにこらしめられてしまうよ。

くわしくみる

本文

むかしむかしの おはなしです。
あるひ おじいさんは
わるい たぬきを つかまえました。
「いつも はたけを めちゃめちゃに しおって」

たぬきは しくしく なきだします。
「もう しないよー」
「それなら、こんかいは ゆるして あげよう」
おじいさんは なわを ほどいてやりました。

すると、
「へっへーん、うそなきだよ!」
たぬきは ぴょーんと とびあがり、
あっかんべえを して にげていきました。

たぬきの いたずらは ひにひに ひどく なりました。
おじいさんが こまっていると、
うさぎが やってきました。
「ちょいと こらしめて くるわ!」

うさぎは たきぎを せおい、
とうげで たぬきを まちぶせ しました。
「おや、うさぎどん。ずいぶん たくさんの たきぎだな」
「ほしいなら、あなたに はんぶん あげるわ」
たぬきは よろこんで たきぎを せおいました。

うさぎは たぬきの うしろで、
ひうちいしを うちます。
かち、かち、かち。
「さっきから、かちかち いうのは なんの おと だい?」
「かちかちやまの かちかちどりが ないているのよ」

たぬきの たきぎに ひが つきました。
ぼう、ぼう、ぼう。
「さっきから、ぼうぼう いうのは なんの おとだい?」
「ぼうぼうやまの ぼうぼうどりが ないているのよ」

「あちちち!」
たぬきは やけどを おいました。
「まあ、たいへん」
うさぎは しらない ふりで いいました。
「わたし、くすりを もっているわ」

「それはいい。せなかに ぬっておくれ」
うさぎは とうがらしいりの みそを ぬりました。
「ひりひり するよう」
「よい くすりは しみるものよ」
うさぎは しれっと こたえました。

それから みっかご。
「なんだか、さいきん ついていないなあ」
くびを かしげる たぬきに、うさぎは いいます。
「それなら ふねあそびを しましょう。
きっと たのしい きぶんに なるわよ」

「かるくて よわい きのふねと、
おもくて つよい どろぶね どっちがいい?」
うさぎが きくと、たぬきは どうどうと こたえます。
「もちろん、どろぶねさ」

2ひきは いけに こぎだしました。
うさぎの ふねは すいすい すすみ、
たぬきの ふねは ずんずん しずんでいきます。
「うわあ、たすけてくれえ!」
とうとう うさぎが いいました。
「にどと わるさを しないなら たすけてあげるわ!」
「まいった、まいった! かならず ちかうよ」

それいらい、たぬきは こころを いれかえ、
すっかり わるさを しなくなりました。

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