おはなし

やくそくのじかん

りかちゃんの きんじょでは ゆうがた、かえりの ちゃいむが なります。
そとで あそぶときは ちゃいむが なったら かならず おうちへ かえる やくそくです。…
少し怖いお話なので、小学校低学年以上を推奨します。

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 絵/アニメ:ゆめある
  • 声:村椿玲子

本文

りかちゃんの きんじょでは ゆうがた、かえりの ちゃいむが なります。
そとで あそぶときは ちゃいむが なったら かならず おうちへ かえる やくそくです。

「きーん こーん かーん こーん……」
きょうも かえりの ちゃいむが なりました。
こうえんで あそんでいた おともだちは ひとり ふたりと かえっていきます。
けれども りかちゃんは ぶらんこ あそびに むちゅうでした。
「まだ あかるいし だいじょうぶ」
おとうさんと おかあさんが しごとから かえるまで もうちょっと かかります。
「あと 5ふんだけ あそんじゃおう」

きづけば、こうえんには だれも いなく なって いました。
でも、まだ ひは しずんでいません。
こうえんの とけいも 5じを ぴったり さしています。
「あれ、おかしいな」
どうして まだ 5じの まま なのでしょう。
はっとして こうえんの そとを みました。
そこには すみを まいた ような まっくらの せかいが ひろがっていました。

りかちゃんは あわてて こうえんから でようと しました。
けれども、まるで みえない かべが ある みたいで おしかえされて しまいます。
「どうしよう」
なきだした そのときでした。
「りかちゃん!」
おとうさんと おかあさんが はしってきて、りかちゃんを だきしめて くれました。
かおを あげた そこは うすぐらい こうえんでした。
とけいの はりは ろくじを すぎています。
「やくそくの じかん、まもらないと だめじゃないの」
おかあさんの てが ふるえています。
「ごめんなさい」
もう あんな こわい おもいは こりごり。
あしたからは ぜったい まもろうと こころに ちかいました。

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