おはなし

だんだらぼっち

日本の昔話「だんだらぼっち」。

くわしくみる

  • 文章:東方明珠
  • 朗読:夏樹リオ(コトリボイス)
  • 絵:ゆめある

本文

むかしむかしの おはなしです。
しまはんとうの だいおうじまに ひとつめの きょじょん、だんだらぼっちが すんでいました。
だんだらぼっちは たいへんな あばれんぼうでした。
うみを こえて むらへ やってきては、いえを ふみつぶしたり りょうしが とってきた さかなを ふねごと もってかえったり。
むらびとたちは こまっていました。

「どうにかして たいじ できないか」
むらびとたちは あつまって ちえを だしあいました。
「おとしあなは どうかね」
「さけを たくさん のませて みては」
なかなか まとまりません。
そこへ、むら いちばんの いたずらっこが やってきました。
「おいらに いい かんがえが あるよ」

よくじつ だんだらぼっちが やってきました。
すなはまには ぼてかご という おおきな いれものが おいてあります。
「これは なんだ?」
いたずらっこが ふるえながら こたえました。
「せんにんりきの おとこの めしばこです」
「せんにんりき?」
「せんにんぶんの ちからもちで あなたさまなど ちかくに よれない おおおとこです」
だんだらぼっちは びっくりしました。

つぎに いわしあみを ぬいあわせた おおきな ぬのが ほしてありました。
「あれは なんだ?」
「せんにんりきの きものです。これでも ちいさくて あしが はんぶんも でてしまいます」
いたずらっこが つげると だんだらぼっちは せすじが さむく なりました。
「せんにんりきは こんなことも いっていました。『おまえたちは ちいさすぎて つまらない。もっと おおきな やつが いたら まりの ように なげて あそぶのに』と」
だんだらぼっちは じぶんの ことを いわれた きがして こわくなりました。

さらには、むらびとたちが しんじられない おおきさの わらじを ひっぱって きました。
「もうすぐ せんにんりきが ここに わらじを はきかえに きます」
だんだらぼっちは まっさおになり いちもくさんに にげていきました。
そして、にどと むらへ やってきませんでした。
それいらい むらびとは おおきな わらじを うみに ながす わらじまつりを するそうです。

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