おはなし

長靴をはいた猫

賢い猫が大活躍するおはなしです

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:川本知枝
  • 原作:グリム童話

本文

むかしむかしの おはなしです。
こなやの しゅじんが なくなりました。
ちょうなんは すいしゃごやを
じなんは ろばを
さんなんは ねこを もらいました。

さんなんは しょんぼり しました。
「ねこ なんて もらっても……」
すると ねこが しゃっきりと たちあがりました。
「ぼくに ながぐつと ふくろを くれるなら、やくに たつよ」

ねこは ながぐつを はいて もりへ いきました。
ふくろに たっぷり うさぎを しとめ、しろへ むかいます。
「カラバこうしゃく からの おくりものです」
ねこは にせものの なまえを つたえました。
まいにち ねこが えものを とどけるので、おうさまは カラバこうしゃくが きになりました。

あるひ さんなんは ねこに いわれて かわで みずあびを しました。
そこへ おうさまの ばしゃが とおりました。
ねこが おおごえで さわぎだします。
「カラバこうしゃくの ふくが ぬすまれた!」
びっくりした おうさまは さんなんに ふくを くれました。
りっぱな ふくを きた さんなんは まるで おうじさま です。
「すてきな かた。ばしゃの なかへ どうぞ」
かおを まっかに した おひめさまが いいました。

ねこは さきまわりを して のうじょうを めぐりました。
「わるい まほうつかいを たおしてあげるから、いうことを きいて おくれ」
ひとびとは のうじょうを しはいする まほうつかいに こまっていたのです。
「この とちは カラバこうしゃくの ものですと いってくれ」

ばしゃに のった おうさまは のうじょうの ひとびとに たずねました。
「この とちは だれの ものだ?」
「カラバこうしゃくの ものです」
みんなは くちを そろえて いいました。
「たいしたものだ」
おうさまは さんなんが すっかり きにいりました。

ねこは その すきに まほうつかいの しろへ やってきました。
みあげるほど おおきく おそろしい まほうつかいの まえで、
ねこは うやうやしく おじぎを しました。

「あなたさまは どんなものにも へんしんできる そうですね」
「もちろんだ」
まほうつかいは がらがらごえで こたえ、ライオンに すたがを かえました。
「わあ、こわい!」
ねこが からだを ちぢこまらせると、まほうつかいは とくいげに わらいました。
ねこは ぶるぶると ふるえながら いいました。
「でも……、きっと ねずみの ように ちいさくなるのは むりでしょうね」
「まさか」
むっとした まほうつかいは ねずみに ばけました。
ねこは すぐに つかまえて、ぺろりと たべてしまいました。

しろを てにいれた ねこは おうさまの ばしゃを むかえに いきました。
「ようこそ、カラバこうしゃくの しろへ」
「なんて みごとな しろだ。どうか ひめと けっこんして ほしい」
さんなんは おひめさまと けっこんを して ほんものの カラバこうしゃくに なりました。
ねこは いつまでも たいせつに された そうです。

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