やせたねずみと太ったねずみが相撲をしています。
心優しいおじいさんは、やせたねずみのためにお餅をつきました。
さてさてどうなったでしょうか?
くわしくみる
- 文:東方明珠
- 声:結城ハイネ
- 絵/アニメ:ゆめある
本文
むかしむかしの おはなしです。
おじいさんは、すもうを とっている ねずみを みつけました。
「でんかしょ でんかしょ」
ふとった ねずみが やせっぽっちの ねずみを ぽんぽん なげとばして います。
やせたほうは おじいさんちの ねずみ、
ふとったほうは ちょうじゃさんちの ねずみでした。
「うちが びんぼうなせいで、ちっとも かてないんだ」
おじいさんは おばあさんに そうだん しました。
「あのままでは かわいそうだ」
「それなら、たくさん たべさせて やりましょう」
ふたりは たいじな もちごめで おもちを つくってあげました。
つぎのひ。
「でんかしょ でんかしょ」
おじいさんちの ねずみは げんき いっぱい。
ふとった ねずみを かるがる なげとばしました。
「どうして きゅうに つよく なったの?」
「おもちを うんと たべたのさ」
「いいなあ。おいらんちは かねもちだけど けちなんだ。
おもちなんて たべたことがないよ」
「それなら うちに おいでよ」
それを きいた おじいさんと おばあさんは にっこり。
「こんやも おもちを つきましょう」
おじいさんは ありったけの もちごめで おもちを つきました。
おばあさんは おそろいの あかい まわしを ぬってあげました。
「おいしいね」
「かっこいいね」
ねずみたちは おおよろこび。
「これは おれいだよ」
ふとった ねずみは、こばんを たくさん おいて かえりました。
それから まいにち、
ねずみたちは げんきに すもうを とっています。
おじいさんと おばあさんは、
ねずみが くれた こばんで しあわせに くらしました。
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