おはなし

金の斧 銀の斧

イソップ物語「金の斧銀の斧」。
欲張って嘘をつくと、失う代償が大きいことを教えてくれています。
なぜまじめなきこりは3つの斧をもらえたのか、なぜ欲張りな男は1本ももらえなかったのか、親子で話し合いながらお楽しみください!

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:川本知枝
  • 絵/アニメ:ゆめある
  • 原作:イソップ(アイソーポス)

本文

むかしむかしの おはなしです。
あるところに まじめな きこりが いました。

きょうも てつの おので きを きります。
こーん、こーん。
きもちの よい おとが もりに ひびきました。
ところが てが つるりと すべって、
ぽちゃん!
おのが いずみに おちて しまいました。

「こまったなあ」
きこりは しょんぼり。
すると、ぼこ ぼこ ぼこ。
いずみの なかから うつくしい めがみさまが あらわれました。
「あなたが おとしたのは きんの おのですか?
 それとも、ぎんの おのですか?」
めがみさまは みぎてに きらきらの きんの おの、
ひだりてに ぴかぴかの ぎんの おのを もっています。

「いいえ、ちがいます。てつの おのです」
きこりは しょうじきに こたえました。
めがみさまは うれしそうです。
「あなたは しょうじきもの ですね。おのを ぜんぶ あげましょう」
「ありがとうございます」
きこりは さんぼんの おのを もらって かえりました。

よくばりな おとこが それを みていました。
「おれも きんと ぎんの おのが ほしい」
ぼろぼろの おのを いずみへ なげいれます。
ぼこ、ぼこ、ぼこ。
めがみさまが あらわれました。
「あなたが おとしたのは きんの おのですか?」
「はい、そうです!」
めがみさまは かなしそうな かおを しました。
「あなたは うそつきですね。おのは いっぽんも あげません」
よくばりな おとこは くやしがりましたが、
めがみさまは いずみに きえてしまいました。

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