おはなし

田舎のねずみと都会のねずみ

田舎のネズミさんが、都会に行くお話。
「都会」と「田舎」それぞれに、良い所があるよね。
みんなは、どっちが好きかな?

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:川本知枝
  • 絵:みのもまりか
  • 原作:イソップ物語

本文

むかしむかしの おはなしです。
いなかに くらす ねずみの ところへ
とかいに すむ ともだち ねずみが あそびに きました。

にひきは くさが あおあおと しげる はたけへ やってきました。
「さあ さあ、たっぷり たべて」
おおむぎ、こむぎ、どんぐりに だいこんや とうもろこし、 たくさんの ごちそうが あります。
ところが、とかいの ねずみは ざんねん そうです。
「とかいの しょくじは もっと おいしいから、たべに こない?」
いなかの ねずみは ついて いきました。

まっしろな てーぶるくろすの うえに いろとりどりの ごちそうが ならんでいます。
「ぱんや ちーず、くだもの、 あまーい おかし、どれでも めしあがれ」
「いただきまーす」
そのときです。
どあが ひらいて にんげんが はいってきました。
「たいへんだ。にげろ」
にひきは あわてて ちいさな あなに かくれました。

「もう だいじょうぶかな?」
しばらくして ねずみたちは あなから かおを だしました。
すると、
「にゃーご」
こんどは ねこが あらわれました。
「こんな きけんな くらしは いやだ」
いなかの ねずみは いいました。
「やっぱり ぼくは いなかが いいや」
そして、ごちそうを たべずに かえって いきました。

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