おはなし

さんまいのおふだ

みんなが知っている昔話「さんまいのおふだ」。

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:須田勝也(コトリボイス)
  • 絵/アニメ:ゆめある

本文

むかしむかしの おはなしです。
おしょうさんが こぞうさんに さんまいの おふだを くれました。
こぞうさんは やまへ くりひろいに いきました。

いつのまにか あたりは まっくらです。
きれいな おんなの ひとが あらわれました。
「わがやへ おとまりください」
こぞうさんは ついていきました。

ざり ざり ざり。
ふしぎな おとに めが さめました。
みると、やまんばが ほうちょうを といでいます。
「うまそうな こぞうを くってやろう」
「にげなくちゃ」

ところが……、
「みーたーな」
おびで ぐるぐるまきに されてしまいました。
「おしっこ いきたい」

こぞうさんは べんじょへ いきました。
おびを はしらに しばりつけ おふだを はさみました。
「おいらの かわりに へんじしろ」
そして まどから にげました。

「こぞう、でたか」
「まだ」
おふだが こたえます。
しかし、すぐに きづかれて しまいました。

「まてー!」
やまんばが おいかけてきます。
こぞうさんは にまいめの おふだを なげました。
「おおきな かわよ でろ」

「こんなもの ひとのみだよ」
やまんばは みずを ぐびぐび のみほしました。

とうとう さいごの おふだです。
「ひの うみよ でろ」

「こんなもの ひとふきだよ」
やまんばは あっというまに ひを ふきけしました。

ようやく おてらに つきました。
「おしょうさん たすけて」
「そこに かくれて おれ」
おしょうさんは おもちを やきはじめました。

「こぞうを だせ」
やまんばが さけびました。
「それなら まめに ばけて みせてくれ」
「おやすい ごようさ」

やまんばの からだは みるみる ちいさく なりました。
「うまそうな まめじゃ」

おしょうさんは まめを もちに くるみました。
そうして、ぱくりと たべて しまったのでした。

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