おはなし

わらしべ長者

物々交換しながら少しづつ富を得ていく、ある若者の不思議で楽しいお話。

くわしくみる

  • 文:東方明珠
  • 声:川本知枝
  • 絵/アニメ:ゆめある

本文

むかしむかしの おはなしです。
びんぼうな おとこが かんのんさまに おねがいしました。
「おかねもちに してください」
すると、そらから きれいな こえが きこえてきました。
「いちばん さいしょに みたものを たいせつになさい」

かんのんどうを でたとき おとこは ころびました。
めのまえに わらしべが おちています。
「ありがたや」
おつげどおり それを もって かえりました。

ぶーん。
あぶが とんできました。
おとこは わらしべに あぶを くくりつけました。

こどもが うらやましそうに みています。
「あげようか?」
「ありがとうございます。これを おもちください」
おかあさんが おれいに みかんを くれました。

しばらくいくと しょうにんが たおれていました。
「のどが かわいた」
「みかんを たべて ください」

しょうにんは げんきに なりました。
「おれいに きれいな ぬのを さしあげましょう」

ひひーん。
むこうから きた うまが とつぜん あわをふいて たおれました。
「おはかを つくってやる じかんがない」
おさむらいさんが こまっています。

「わたしが ひきとりましょう。かわりに これを どうぞ」
おとこは ぬのと うまを こうかんしました。

みずを のませると、うまは いきを ふきかえしました。
おとこは うまにのり、ちょうじゃの いえまで やってきました。
すると、ちょうじゃが でてきて いいました。
「うまを ゆずってくれ。わしは これから たびにでる。
この とちは ぜんぶ おまえに あげよう」

うまと とちを こうかんして、おとこは ちょうじゃに なりました。
そして いつまでも ゆうふくに くらしましたとさ。

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